生物集団は過密度条件下で, それぞれ種個有の自己個体数抑制機構を持っている。著者は, 先に蚊幼虫の過密度要因を発見し, その化学構造を明らかにし, 生理学的特性について推論した。本報は, ユスリカ幼虫集団について, 同様な過密度要因が存在することを報告する。すなわち, 一定の飼育容器底面積当りのユスリカ幼虫密度を変えたり, 一定数幼虫当りの容器底面積を変えることによって, 幼虫は過密度条件下で, 自己集団の死亡率を高め, 羽化時期を遅らせることを示した。また, この条件づけられた水は, 次世代の幼虫に同様な毒性, 生育抑制効果をもたらした。各幼虫密度飼育で成虫羽化率のプロビットは, 羽化に要する日数の対数に対して正規分布した。