抄録
日本産セジロハナバエ属については, 篠永・加納(1971)が成虫4種を記載している。わが国では, 本属のハエはすべて牛または水牛糞から発生するが, このうちでも放牧地の牛糞からの発生が主である。著者らは, 野外で採集した雌成虫に産卵させて3令幼虫を得, これについて記載した。本属の幼虫は, 他のイエバエ科幼虫と比較して形態が異なり, 体の後端は斜に切断された形(図1)で外皮はかなり強く硬化している。また, 各節に棘帯を有し, この棘の大きさと形は種の特徴として重要であり, これにより種の同定が可能である。