衛生動物
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誘引音による蚊の自動化学不妊化
池庄司 敏明
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1982 年 33 巻 1 号 p. 41-49

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抄録

metepaを処理したビーカーにスピーカーをセットし, 蚊の羽音を混合したり, 周波数, 強度を変調させ, 雄蚊に対する誘引性を, 卵のふ化率の低下で調べた。雌蚊の周波数なら単一の純音で充分に誘引した。音の強度の変調では, Ae. aegyptiに対して, 466Hz, 98dB SPLの音が, またCx. p. molestusに対しては, 370Hz, 124dBの音が最も卵のふ化率を低下させた。さらに466Hz, 124dBの純音は, 100mの遠距離まで到達し, Ae. aegyptiを不妊化させ得ると推論した。卵のふ化率は, 不妊剤の処理薬量に反比例し, Ae. aegyptiでは660μg/(cm)^2で0%, 20μg/(cm)^2で9.7%であった。以上, 自動不妊化法は雄蚊の大量誘殺より, はるかに優れた蚊の駆除法になることを示した。

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© 1982 日本衛生動物学会
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