衛生動物
Online ISSN : 2185-5609
Print ISSN : 0424-7086
ISSN-L : 0424-7086
日本産マキバイエバエ属 (Genus Myospila) の 1 新種ヤマトマキバイエバエ M. japonica について
篠永 哲岩佐 光啓
著者情報
ジャーナル フリー

1983 年 34 巻 4 号 p. 295-298

詳細
抄録

アエバエ科, マキバイエバエ属のハエは, 加納・篠永(1977)によって日本から6種と1亜種が記録されている。著者らは, これら日本産の標本と南西諸島からニューギニアに至る各地の標本について再検討した結果, M. tarsalis tarsalis (Malloch)と同定されていた種は新種と認められた。M. tarsalis tarsalisは, Vockeroth (1972)によってM. laevis (Stein)のsynonymとされている。本新種は, laevisに類似しているが, 背側板剛毛のまわりに1本ないし2本の小剛毛を有すること, 雄の生殖器の内狭子の先端に切れ込みがあること, 雄の小楯板の側面の短剛毛列を欠くことなどによりlaevisと区別さりる。laevisは, 広く東南アジア, ニューギニアなどに分布し, 日本では南西諸島, 九州南部に生息している。新種に分布している。成虫は, 主に放牧地の新鮮な牛糞上にみられる。日本産マキバイエバエ属の検索表をつけ加えた。

著者関連情報
© 1983 日本衛生動物学会
前の記事 次の記事
feedback
Top