衛生動物
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タカサゴキララマダニ幼虫の実験的カナヘビ寄生
藤本 和義
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2000 年 51 巻 4 号 p. 289-291

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抄録
カナヘビに寄生したタカサゴキララマダニ幼虫の吸血と発育を24℃, 16L-8Dの日長条件で観察し, マウスに寄生した幼虫のそれらと比較した。カナヘビ上での幼虫の吸血期間は平均13.7日, マウス上でのそれは5.4日で, カナヘビ上での吸血期間はマウス上より明らかに長かった。しかし, 飽血幼虫の脱皮率は両宿主とも97%以上であった。飽血幼虫の発育期間はカナヘビ上では平均22.4日, マウス上では22.6日で, 両宿主の間に大きな違いは見られなかった。以上の結果から, 幼虫に対する両宿主の宿主適合性の違いはわずかであると考えられた。従って, タカサゴキララマダニ幼, 若虫が爬虫類より哺乳類により多く寄生している理由を温血動物と冷血動物の宿主適合性の違いによって説明できない。
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© 2000 日本衛生動物学会
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