衛生動物
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原著
鹿児島県におけるツルグレン法を用いたツツガムシ類の3年間の季節消長と形態変異
野田 伸一山本 進高橋 守
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2013 年 64 巻 2 号 p. 73-78

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抄録

鹿児島県姶良町市の白銀坂(7地点)と布引の滝(4地点)の2ヶ所で,2004年4月から2007年3月までツツガムシ類の定期採集を行った.白銀坂では12属20種,布引の滝では8属16種が採集された.採集された種類は,タテツツガムシ,クロシオツツガムシ,ムロトツツガムシ,キタサトツツガムシ,ヒミズツツガムシ,フジツツガムシ,ミヤジマツツガムシ,カンサイツツガムシ,ミタムラツツガムシ,イチカワツツガムシ,コウチツツガムシ,イカオタマツツガムシ,ウチカワタマツツガムシ,ミヤガワタマツツガムシ,トダタマツツガムシ,シライタマツツガムシ,ナガサキタマツツガムシ,コシキワルヒツツガムシ,オガタワルヒツツガムシおよびサダスクガーリエップツツガムシの20種であった.多くの種は1月と2月に採集され,6月と7月には7種のみが採集された.タテツツガムシは最も多くの個体数が採集され,次いでフジツツガムシであった.両種が本地域の優占種と考えられた. 採集されたイカオタマツツガムシの背甲板は幅広で,背甲版の計測値PW (66.0±1.4 µm)はAW (53.0±1.9 µm)より広かった.胴背毛数に変異が認められ,胴背毛第1列の数は10~17本で,12本の個体が最も多かった.

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© 2013 日本衛生動物学会
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