直線加速器による全脳全脊髄照射で施行されている強度変調放射線治療のうち,近年増加している強度変調回転照射について報告した.直線加速器は照射野の大きさの制限から,小児においても複数の照射野を組み合わせる必要がある.従来施行されている三次元原体照射では照射野内の線量が基本的に均一であるため,照射野つなぎの位置誤差が大きな線量誤差に直結するリスクがある.強度変調放射線治療は脳脊髄腔への均一な線量処方を実現し,またいくつかのリスク臓器における線量を低減することも可能である.治療計画に時間と労力を要することと低線量域の増加には注意が必要であるが,強度変調回転照射による全脳全脊髄照射は比較的短時間で照射が可能であり,直線加速器で可能な治療であることから,重要なmodalityのひとつと位置付けられる.