抄録
1957年, 東京農業大学農場の豚舎及び堆肥場において, 薬剤によるイエバエの駆除実験を行つた.堆肥場に発生したイエバエ幼虫に対して, 1 feet^2当0.5lの薬剤を撒布したときmalathion, dipterex, dieldrinの夫々1%液の場合でいずれも100〜80%近くの駆除効果が得られたが, 0.01%の場合ではいずれもほとんど効果が認められなかつた.豚舎に1%malathion乳剤を1m^2当80cc撒布し, イエバエ成虫の消長を観察した時, 撒布後1週間余りハエの棲息密度は減少している.又, 生物試験により残効力をしらべた結果, 1〜2週間は有効と見られ, 3週間以後にこの残効力を求めることはむつかしいようである.