難治性動脈炎には種々の病型があり, それぞれに異なった病態を呈する. 難治性動脈炎の病因には不明な点が多いが, 大動脈炎症候群(高安動脈炎)はHLA-B*5201およびDRB1*1502, バージャー病はHLA-DRB1*1501およびDPB1*0501, 慢性血栓塞栓性肺高血圧症はHLA-B*5201およびDPB1*0202とそれぞれ関連を示すことが報告されていることから, HLAに連鎖した疾患感受性遺伝子の存在が示唆される. 本稿では難治性動脈炎の病態形成におけるヒトゲノム多様性について, HLA領域内遺伝子を中心に概説する.