HLA-B40グループ(B60およびB61)の血清学的タイピングでは, HLA-B61のみに特異性を持つアロ抗血清がほとんどないために, B60ホモ接合体とB60/B61ヘテロ接合体の識別ができない. またB48抗血清はB40グループと交差反応性を持つ場合があり, この場合B60/−, B61/−ホモ接合体とB60/B48, B61/B48ヘテロ接合体との判定は難しい. そこで, 血清学的タイピングを補助する目的で, HLA-B40(B60, B61)/−と血清学的にタイプされた検体についてB60, B61, B48の有無をPCR-sequence specific primer(SSP)法で確定するDNAタイピング法を開発した. 骨髄バンクドナー64検体についてこのPCR-SSP法を行い, 血清学的に難しかったB40グループの判別が明瞭かつ簡便に判定できた. HLA-B40グループのスプリット抗原であるB60およびB61は, 日本人ではB60は5.6%, B61は10.7%の遺伝子頻度でみられる抗原である. これらを血清学的にタイピングする場合, HLA-B61のみに特異性を持つアロ抗血清がほとんどないために, B60ホモ接合体とB60/B61ヘテロ接合体の識別はできない(1). 通常HLA-B60/B61を確定するためには家族調査を必要とするが, 骨髄バンクドナーなど家族調査のできない場合, DNAレベルで簡便にB60/B61の有無を同定できる方法が必要となる. またHLA-B48抗原はB40グループと交差反応性が高く(1), B48抗原を識別する抗血清がB40グループにも反応する時には, B60, B61のホモ接合体と, そのB48とのヘテロ接合体(B60/B48, B61/B48)との識別が難しくなる. そこで, 血清学的なHLAタイピングを補完する目的で, 血清学的にHLA-B40(B60, B61)/−と判定された検体について, B60, B61, B48の有無を確定する簡便なDNAタイピング法を開発した.