2018 年 25 巻 1 号 p. 34-39
HLA半合致造血細胞移植(haploidentical hematopoietic stem cell transplantation: Haplo-HSCT)は再発や治療抵抗性,予後不良因子を認める造血器腫瘍症例を対象に,強力な抗腫瘍効果を期待し実施されている。Haplo-HSCT後再発した症例の一部では白血病細胞の不適合HLA喪失が報告されている。Haplo-HSCT後再発した6症例について,白血病細胞を含む末梢血,骨髄血由来DNAを用いてHLA DNA typingを実施し,患者特異的HLAハプロタイプの有無から不適合HLA喪失の可能性について評価した。6症例中2症例で不適合HLAが検出できない水準までの喪失(低下)を認めた。Haplo-HSCT後の再発症例では以後の治療方針決定のため,不適合HLA喪失の有無の評価が重要である。