日本組織適合性学会誌
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2025年度認定HLA検査技術者講習会テキスト
本邦の肺移植における現状と今後
芳川 豊史
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2025 年 32 巻 2 号 p. 97-104

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抄録

肺移植は,内科的治療が尽くされても進行する慢性呼吸不全患者に対する最後の砦となる治療で,わが国においても累計で1300例を超え,その生存率は世界最高レベルである。しかしながら,肺は,気道で外界と直接通ずる臓器であり,肺移植において感染と拒絶のバランスを長期に維持することは難しく,他臓器と比べ肺移植の成績は悪い。本邦では,慢性的な脳死ドナー不足の影響を受け,脳死肺移植が待機できない患者に対して,生体肺移植が重要な治療オプションとして行われている。世界的にも,ドナー不足だけでなく,肺移植の成績を改善し,持続可能な移植医療を行うために,様々な取り組みが行われている。今回,本邦における肺移植の現状と今後について,世界の肺移植の歴史と現状に照らしあわせて概説する。

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