縄文人由来のHLA遺伝子が現代日本人にどの程度保持されているかを検証するため,北海道礼文島船泊遺跡出土の船泊23号(縄文時代後期)のHLAハプロタイプと現代日本人の大規模コホートデータを比較した。志賀町コホートから,船泊23号と同一の4遺伝子のハプロタイプ(A*24:02-C*03:03-B*15:01-DRB1*09:01)のホモ接合体を選定し,ロングリードシークエンシングおよびサンガー法による詳細な解析を行った。縄文人データの再アラインメントおよび現代人検体の配列決定の結果,HLA-A,-C,-B,-DRB1,-DRB4,-DQA1および-DQB1の7遺伝子において,イントロンを含む遺伝子全長にわたり配列が100 %一致することが確認された。本研究は,縄文人由来のHLA遺伝子配列が約3,550~3,960年(較正放射性炭素年代; cal BP)にわたり変異なく継承されている可能性を示した。