日本組織適合性学会誌
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原著論文
PCR-RFLP法によるHLA-C遺伝子のDNAタイピングの開発
松澤 由美子成瀬 妙子猪子 英俊
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1997 年 4 巻 2 号 p. 69-73

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抄録

HLA-C抗原系は他のHLA抗原に比べ発現が弱いことなどの理由で, 血清学的方法による同定はブランクが多く出現し, 精度の高いタイピング法とはいい難い. そこでHLA-C抗原の簡便なDNAタイピングを目的として, PCR-RFLP(polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism)法により, 計11種の制限酵素を用いて30種類のC抗原対立遺伝子(アリル)を18グループに分類する方法を考案した. 実際にHLA-C抗原対立遺伝子が既知の24種のHLA-C抗原ホモ接合体細胞(但し, TUBOのC抗原は血清学的にブランク)と2種のヘテロ接合体細胞を用いてDNAタイピングを行ったところ, 正確な対立遺伝子の同定が可能と考えられたことから, 本研究で確立したPCR-RFLP法は, PCR-SSP法との併用により全てのアリルが識別可能なHLA-Cタイピングに有効な方法であることを確認した.

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© 1997 日本組織適合性学会
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