Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology(日本微生物生態学会報)
Print ISSN : 0911-7830
飲料用タンク水から高頻度に分離されたProtomonas extorquensの消長と塩素抵抗性
古畑 勝則小池 和子松本 淳彦
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1989 年 4 巻 1 号 p. 35-47

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抄録

飲料用タンク水500試料について細菌検査を行ったところ,一般細菌と大腸菌群は検出されず,水道法水質基準には適合していた。また残留塩素はいずれの試料でも0.1mg・l-1以上あった。しかし,これらタンク水の71%からは様々な従属栄養細菌が検出された。なかでもProtomonas extorquensが最も高い頻度で分離された。本菌はグラム陰性の桿菌であり,標準寒天培地によって25℃で7日間培養すると淡紅色の集落を形成した。また,本菌を1.0mg・l-1の遊離残留塩素で殺菌するには10分間もの接触時間を必要とし,非常に耐塩素性であることが確認された。さらに本菌は残留塩素が消失したタンク水中で良好に増殖し,一旦105CFU・ml-1にまで増殖すると現在のところ250日経過しても増殖時の最高菌数を維持することが明らかになった。

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