Bulletin of Japanese Society of Microbial Ecology(日本微生物生態学会報)
Print ISSN : 0911-7830
化学独立栄養性アンモニア酸化菌Nitrosomonas europaeaに及ぼす糖-アミノ酸加熱反応生成物の影響
高橋 令二岡田 健石崎 良平徳山 龍明
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1991 年 6 巻 2 号 p. 95-101

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抄録
独立栄養性アンモニア酸化菌,Nitrosomonas europaeaの生育,亜硝酸生成,ヒドロキシルアミン酸化酵素(HAO)および脱水素酵素(MDH,ICDH,GDH)活性に及ぼす糖類,並びに糖類-アミノ酸(グリシン)の加熱反応生成物(HRP)の影響(阻害)について検討した。
糖単独のHRPの場合,特に五単糖のHRPは菌生育および培養中の亜硝酸生成に阻害を及ぼしたが,HAO活性にはほとんど影響を及ぼさなかった。
糖-グリシンのHRPとして,五単糖を含むHRPは,生育および培養中の亜硝酸生成に,糖単独の場合よりもさらに著しい阻害を及ぼした。一方,HAO活性は,五単糖とスクロース以外の二糖類とのHRPによって阻害を受けた。この傾向は糖-アラニンのHRPの場合も全く同様であった。また,これらのアミノ酸のジおよびトリペプチドとのHRPも同傾向の阻害を与えた。また,糖-グリシンのHRPによって,ICDHなMDH活性はいずれも全く影響を受けなかったが,GDH活性は阻害された。一方,Pseudomonasの生成するHAO活性に対しても同様の阻害傾向を示し,生育阻害もこれに対応していた。しかしながら,同じ従属栄養細菌であるE.coliBacillusの生育は全く影響を受けなかった。
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© 日本微生物生態学会
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