2011 年 27 巻 2 号 p. 91-95
国際植物命名規約(International Code of Botanical Nomenclature)は,国際植物学会議(International Botanical Congress: IBC)の命名法部会で 6 年ごとに変更されている.第 18 回 IBC はオーストラリアのメルボルンで開催され,命名法部会が 2011 年 7 月 18 日から 22 日に開かれ,その決定が 7 月 30 日の本会議にて採択された.この会議の結果,新学名の発表に影響するいくつかの重要な規約変更が行われた.このうち二つの変更はメルボルン規約の出版より数ヶ月早く,2012 年 1 月 1 日から発効する.国際標準逐次刊行物番号(ISSN)または国際標準書籍番号(ISBN)を伴って Portable Document Format(PDF)の形式でオンライン発表された電子資料は有効発表となり,新分類群の学名に対する要件であるラテン語の記載文または判別文は,ラテン語または英語による記載文または判別文へと変更される.さらに,2013 年 1 月 1 日から効力をもつが,菌類として扱われる生物の新学名が正式発表されるためには,初発表文(protologue:学名の正式発表に際して,その学名に関連して発表された全てのもの)の中に,認定された登録機関(例:MycoBank)の発行する識別子 identifier の引用を含まなければならなくなる.電子発表に関する新たな条項の草案を示し,最良慣行(訳注:最適な結果を得るための方法や手順など.Best practice)について概説する.