日本微生物資源学会誌
Online ISSN : 2759-2006
Print ISSN : 1342-4041
原著論文
日本における緑藻Desmodesmus communisの簡易型100 l 培養装置による長期培養
出村 幹英本庄 あすか野間 誠司林 信行
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2024 年 40 巻 1 号 p. 27-37

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抄録

微細藻類バイオマスは,医薬品,植物性タンパク質の代替,工業用材料などとして利用できる新しい生物資源として近年注目を集めている.微細藻類バイオマスを得るために微細藻類の大量培養が必要であるが,大型の専用培養装置は高価であり,最終的な微細藻類バイオマス生産コストを引き上げる原因にもなっている.本研究では,緑藻イカダモの一種Desmodesmus communis佐賀産培養株dSgDes-eco1株を用いて,100 l スケールの簡易型培養装置によって10ヵ月以上の培養試験を行い,バイオマス生産性,バイオマス組成(タンパク質含有率,脂質含有率など)を調査した.その結果,最大のバイオマス生産性(0.040±0.0017 g/l/day)を7 月に記録し,バイオマス生産性と水温との間に正の相関があることが明らかとなった.また,調査期間中のタンパク質含有率平均が47.9%であり,タンパク質含有率は,1日の積算光量子束密度と正の相関をすることが判明した.本研究によって,D. communis培養株dSgDes-eco1 株は,バイオマスやタンパク質生産が可能な株であること,簡易的な培養装置を用いても,専用の培養装置を用いた培養と同等の成果を得ることができることが示された.

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