2020 年 7 巻 p. 135-151
本特集における本稿の位置づけは「外国人教育におけるインクルーシブ」である。今日、外国人住民の増加から、外国人児童・生徒の学校における包摂は大きな注目を集めている。これらは「新しい教育課題」と位置づけられがちであるが、歴史を紐解くとき、第二次世界大戦以降、積み重ねられてきた在日朝鮮人教育の歴史がある。本稿では、大阪府・大阪市で行われている民族学級の様子を紹介する。そのうえで、民族学級の取り組みのいかなる点に、インクルーシブな教育を見出すことができるのかを検討する。