抄録
近年,小型の半導体受光素子の実用化に伴い,新たな受光素子配置に基づくPET用検出器の開発が可能になった.放射線医学総合研究所では,千葉大学,東京大学,浜松ホトニクスと共同で,クリスタルキューブと呼ばれる次世代の3次元放射線位置検出器を開発している.クリスタルキューブは,光学的不連続点を内蔵する結晶ブロックの全面に半導体受光素子を配置することで,3次元的にシンチレーション光を取得する.位置演算法の観点では,シンチレーション光の信号は冗長に得られる.本研究では,クリスタルキューブの位置演算において,位置情報を多く含むデータを選択して検出位置の推定精度を向上させる手法を提案し,その効果をモンテカルロシミュレーションにより検証した.位置推定には重心演算法として知られるAnger法を用いた.その結果,全6面のデータを使用した場合よりも4面のデータを選択的に使用した方が位置推定精度は高かった.