抄録
股関節手術において,患者固有の手術計画や動態シミュレーションを行うためには骨盤座標系の設定が必要である.本研究では,股関節三次元CT画像からの骨盤解剖学的座標系の自動設定を目的とする.確率アトラスを用いた空間正規化,統計特徴点モデルを用いた解剖学的特徴点の認識と恥骨結合平均画像を用いた骨盤解剖学的座標系の精密化を組み合わせた手法を提案する.39症例に対して提案手法を適用し,熟練専門医の入力により設定された骨盤座標系との比較評価を行った.比較実験の結果,位置誤差2.37±1.30mm,角度誤差1.07±0.50度の精度での自動設定が行えた.このことから,本手法の有効性が示された.