Medical Imaging Technology
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JAMIT 2012関連の査読付き論文<研究論文>
蛍光色素観察のためのポータブル重畳投影システムの構築
鈴木 拓中口 俊哉大坪 誠治林 秀樹草野 満夫
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2012 年 30 巻 4 号 p. 165-171

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抄録
従来のICG観察システムでは,蛍光をモニタで観察するため,蛍光部位と観察部位の位置関係把握が困難であり,またシステムが高価であることから広く普及するに至らなかった.そこで本研究では,市販のUSBカメラとレーザープロジェクタを用いて蛍光を取得,投影し,より低価格で直感的な観察システムを構築する.本システムは乳がんのセンチネルリンパ節同定,皮膚がん,リンパ浮腫など,体表の比較的浅い部分の病変部を主な観察対象とする.本システムでは赤外LEDを用いてICGを励起させ,励起画像と非励起画像の差分をとることで蛍光部位を抽出する.取得画像は空間コード化法を用いて歪み補正を行い,レーザープロジェクタで対象部位に投影する.投影距離200mmにおける平均投影誤差は0.5mm以内であった.ファントム実験の結果,最大深さ12mmのICG蛍光を観察可能であった.また動物実験によって,本システムの臨床における実現可能性が示唆された.
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© 2012 日本医用画像工学会
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