Medical Imaging Technology
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研究論文
コーンビーム画像再構成・可視化・計測を一体化したCTソフトウェアの開発— 基本機能と歯科用CT装置への応用—
楊 海圏富井 和仁工藤 博幸
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2012 年 30 巻 4 号 p. 192-200

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抄録

歯科用CTやマイクロCTなどの3次元X線CT装置に搭載するソフトウェアとしては,コーンビーム画像再構成・可視化・計測のすべてが一体化されたものが望ましいが,すべてが一体化されたソフトウェアはごく少数しか存在せず高価格なのが現状である.本論文では,汎用計算が可能なグラフィックスカード(GPU)を用いていくつかの新旧アルゴリズムを実装して,TomoShopと呼ばれるコーンビーム画像再構成・ボリューム可視化・画像計測を一体化した汎用CT統合ソフトウェアの開発を行った.また,応用例として,歯科用CT装置において必要なパノラマ表示・神経抽出・距離計測の機能の実装を行った.その結果,コーンビーム画像再構成・可視化・計測のすべてを単一のソフトウェアに統合する目的を達成して,GPUによる実装や学術的新規性がある再構成法・補正手法・画像処理手法を採用して高速性・高画質・高汎用性を実現できた.そして,その性能を多様な実験により評価した結果,3次元X線CT装置に搭載する汎用ソフトウェアとして市場に低価格で提供できる見通しを得た.

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© 2012 日本医用画像工学会
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