2012 年 30 巻 4 号 p. 209-214
画像からの対象シーンの3次元構造を復元する技術は,CV(コンピュータビジョン)の基礎技術として古くから盛んに研究開発がなされており,最近は映像メディア,バーチャルリアリティなど,CVの応用分野は急速に広がっている.本稿では,この3次元復元技術に焦点を当て,まず,そのための基本的方法論について概説する.そして,3次元復元技術の応用として,観察視点を自由に設定しながら再生可能な映像である自由視点映像生成に関連する研究,さらに,もうひとつの応用として,カメラで撮影したシーンにリアルタイムで視覚的情報を重畳する情報提示技術であるAugmented Reality(AR)への応用を取り上げ,それらの最近の動向を筆者が近年行ってきた研究ともに紹介する.