Medical Imaging Technology
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特集/商用医用画像システム
シーメンス社製MR装置の現状と動向
村田 勝俊
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2014 年 32 巻 1 号 p. 3-8

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抄録

1973年,Lauterburにより傾斜磁場コイルを利用したMRIが発表されてから40年あまりが経過しているが,ハードウェア,撮像手法ともに今なお研究されており,次々に商用機に搭載されてきている.本稿では,シーメンス社のMRI装置に搭載されているパラレルトランスミッション,および現在研究中のマルチバンドEPIについて紹介する.パラレルトランスミッションでは,3T装置で問題となる高周波数のRF(radio frequency)侵入深度の問題による送信磁場の不均一の補正が可能となる.さらに,この技術を応用することによりスライス方向にとどまらない局所的な励起という新しい技術が可能となった.マルチバンドEPIはUSAのHuman Connectome Project(HCP)のひとつの成果であり,fMRI,diffusion tensor imaging(DTI),diffusion spectrum imaging(DSI)などに広く応用が可能である.マルチバンドEPIの登場により,これらの領域で高空間,高時間分解能化,撮像時間の短縮,統計的検出力の向上などが期待される.

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© 2014 日本医用画像工学会
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