X線CTを用いた画像診断は臨床上非常に有用であるが,原理上放射線被曝による人体への悪影響は避けられない.本稿では最近導入されたGE Healthcare社における被曝低減技術の機能を2つ解説する.1つ目の機能は,高い放射線感受性をもち,かつ,体の表面に位置する部位における被曝を選択的に低減する「Organ Dose Modulation」とよばれる機能である.この機能は自動露出機構の一種であり,操作者が設定した放射線高感受性の部位において,管電流を低減することで実現される.2つ目の機能は,心臓を撮像する際の設定を補助する,「Snapshot Assist」とよばれる技術である.この機能は被験者のbody mass index(BMI)と撮像前の心拍を用いて,撮像時における適切な撮像条件を自動的に設定する機能である.この機能により,BMIが小さい場合は自動的に管電圧や管電流を小さく設定することが可能であり,被曝低減が可能である.