34 巻 (2016) 4 号 p. 186-197
低線量CT・スパースビューCT・インテリアCT(ローカルCT)の3つの新方式CTが考案され,現在おのおのに対応する画像再構成法の研究が進められている.本論文では,X線を心臓や乳房など小さな検査の関心領域(ROI: region of interest)のみに照射した不完全な投影データからROIの画像再構成を行い,低被曝や測定簡略化を実現するインテリアCTの画像再構成を取りあげ,特に2000年代後半に発見されブレークスルーとなった2種類の厳密解法(非圧縮センシング厳密解法と圧縮センシング厳密解法)について解説する.