2016 年 34 巻 4 号 p. 198-202
磁気共鳴イメージング(MRI)装置は圧縮センシングを適用しやすいシステムである.その理由としては,MRイメージング技術の撮像の自由度がきわめて高いこと,そして多彩な情報が高次元データとして取得可能であることが挙げられる.撮像時間の短縮が重要なMRIにとってはきわめて魅力的な技術となっている.当初MRI撮像の高速化は,パルスシーケンスという言葉に代表されるMRI固有の技術を中心として発展したが,近年,情報技術を取り入れた画像生成手法の重要性が高まっている.本稿では本特集の主要テーマである圧縮センシングMRIのほかに,MRフィンガープリンティングとよばれる新手法等も紹介し,現在も発展を続けるMR高速撮像の技術動向の一端について述べたい.