Medical Imaging Technology
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研究論文
X線暗視野法に基づく屈折コントラストX線CTを用いたヒト乳頭の三次元可視化および解析
砂口 尚輝島雄 大介市原 周西村 理恵子岩越 朱里渡邊 彩丹羽 輝久子黄 卓然湯浅 哲也安藤 正海
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2020 年 38 巻 1 号 p. 33-39

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抄録

乳房の乳頭部における乳管の組織構造はまだ完全に把握されていない.例えば,最も解析しやすいと考えられる乳頭内の乳管数は,解剖学の教科書では15~20本と書かれているが,2000年以降の報告では平均値で約25本,多い人で50本あるとされている.それ以外の三次元的な乳管構造についても徐々にわかっている.一方で,このような解剖学的な解析は,労力を必要とする三次元病理観察に基づくため,多症例による統計的解析はほとんど行われていない.本研究では,染色された二次元組織像に匹敵するコントラストで描出できるX線暗視野法に基づく屈折コントラストCTを用いて,ヒトの乳房から採取された23症例の乳頭を撮影し,乳頭内乳管の三次元可視化および解析を行う.その結果を先行研究と照らし合わせて,解剖学研究における屈折コントラストCTの有用性を示す.

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© 2020 日本医用画像工学会
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