2020 年 38 巻 3 号 p. 108-115
新学術領域「多元計算解剖学」A01-3班:多元計算解剖学における機能情報統合の基盤技術においては,運動器機能解析を目指した筋骨格計算解剖モデルの開発を行った.本プロジェクトでは,医学・バイオメカニクス・スポーツ科学を含む,さまざまな運動器科学領域での応用を目的とし,医用画像に基づいた被験者個別の筋骨格解剖を忠実に再現したモデルを簡便かつ高精度に構築する手法を検討した.本稿では,プロジェクトの成果である 1)深層学習を用いた筋骨格セグメンテーション,2)CT-MRIモダリティー変換,3)X線画像とCT画像の位置合わせによる骨格運動・姿勢推定,4)高精細遺体凍結画像と臨床画像の統合による筋線維走行推定,について紹介する.