2020 年 38 巻 4 号 p. 194-198
トモシンセシスは,制限角内の投影から三次元画像を再構成する技術である.現在開発中の4つのX線管を有する装置では1秒以内の短時間撮影が可能で,患者の息止めによる負担がほとんどない.しかし,投影数が4と少ないため,再構成画像の画質が劣化する.本研究では,正則化項を組み込んだ逐次近似アルゴリズムを少数方向トモシンセシス画像再構成へ応用し,その有用性について検討した.ML-EM法とTV正則化を組み込んだ方法で数値ファントムおよび実測データの再構成を行い,RMSEおよびCNRによる比較検討を行った.数値シミュレーションでは,ML-EM法と比較してML-EM+TV再構成像の奥行き方向に生じるアーチファクトが抑制され,分解能が向上した.実測データではTV正則化を組み込むことでノイズが抑制でき,近似回数を重ねるにつれCNRが向上した.少数方向トモシンセシスにおいて,正則化項を組み込んだ再構成アルゴリズムはアーチファクト抑制およびノイズ低減に有用であった.