2023 年 41 巻 1 号 p. 27-36
定量的磁化率マッピング(QSM)は,組織の磁化率が変化する疾患の診断に有望である.QSMはおもに3T MRIで行われる.本研究では,QSMを汎用的な1.5T MRI で実用することを目的として,QSMノイズと撮像パラメーター(TR/TE)の関係を数値計算と実測値で比較検討した.1.5T QSMのファントム実験の結果は,計算とよく一致した.健常例のヒト脳の実測でも同様の結果を得た.ヒト脳のQSM値は,3T MRIの先行研究で報告されたQSM値と矛盾がなかった.これらの結果は,1.5T QSMの実用可能性を示唆した.