2023 年 41 巻 2 号 p. 88-91
日本医用画像工学会功績賞の受賞対象となった「広視野X 線動画撮影・解析システム」は,動画対応フラットパネルディテクター(flat-panel detector: FPD)を用いて,呼吸状態を連続的に撮影し,得られた胸部X 線動画像を対象に,横隔膜・胸郭・肺内構造物の動きや,呼吸や肺血流による肺野内の濃度変化を定量化・可視化するものである.産学官共同研究による動物実験や初期臨床研究を経て,2018 年11 月に実用化された.2023 年2 月現在,国内約70 施設で稼働しており,各種機能診断における有用性が数多く報告されている.本稿では,一般撮影室での肺機能評価を実現した「広視野X 線動画撮影・解析システム」の概要と今後の展望を示す.