2023 年 41 巻 4-5 号 p. 143-149
医療分野でのICT の活用が進む中,大量の医療画像データを全国規模で収集し,利活用することが課題となっている.本稿では,この課題を解決するために国立情報学研究所を中心に整備・運用されている医療画像ビッグデータクラウド基盤について報告する.クラウド基盤には,全国から医療画像データが日々収集され,これまでに4.2 億枚以上の画像が蓄積されるに至っている.また,AI を用いた画像解析研究への利用が進んでいる.定常的に医療画像データを収集し,蓄積ならびに解析可能な基盤を整備・運用することは,過去のデータを利用した新たな技術開発のみならず,公衆衛生上の非常事態における迅速な医療画像処理手法の開発を可能とする.本稿ではその事例として,クラウド基盤を活用して実施されたCOVID-19 肺炎CT 画像解析についても紹介する.