アルツハイマー病(AD)診療において,アミロイドPETとタウPETは非侵襲的にAD病理を可視化できるバイオマーカーとして重要性が増している.抗アミロイド𝛽(A𝛽)抗体薬(レカネマブ,ドナネマブ)の登場により,アミロイドPETは抗A𝛽抗体薬治療適応判定およびA𝛽除去効果のモニタリングに不可欠となった.タウPETは病期進行度や予後予測に役立つ.また,頭部専用PET装置や人工知能(AI)による画像解析技術の進歩も加わり,分子イメージングの重要性がますます増大している.今後,アミロイドPET,タウPETの活用は,ADの早期診断と個別化治療戦略の鍵を握ると期待される.