抄録
マテリアルフローコスト会計(MFCA)は,環境管理会計の代表的な手法として注目を集めている。しかし,日本において,MFCAを導入した後,MFCAの適用を停止した事例が多い。本研究では,成功したMFCA適用の基準を検討したうえで,MFCAを長く適用している企業である日東電工および一定の期間MFCAを適用した後,MFCAを停止した企業であるウシオ電機を事例として取り上げて,MFCA導入後のプロセスに焦点を合わせて両社に対する比較分析を行う。このような事例研究を通じて,MFCAの実践が望まれる形態とその形態を実現するための取り組みを探索する。