抄録
本研究は,サプライヤーと顧客志向なバイヤーからなるサプライチェーンでの組織間関係に光を当てる。とくに,需要の不確実性があるとき,組織間コスト・マネジメントに取り組むと,サプライチェーン全体にどう影響するかを分析する。分析の結果,不確実性の程度の増加は,サプライチェーン全体に望ましくないとわかった。対して,顧客志向なバイヤーはサプライチェーン全体に良い結果をもたらすと判明した。この結果は,日本企業が取り組んできた,原価企画でのマーケット・インの製品開発などの顧客志向な取り組みを支持するといえる。