抄録
本稿の目的は,2010年10月から12月にかけて日本とドイツで実施した現代的な原価計算実践に関するアンケート調査にもとづき,病院原価計算に関する調査結果に焦点をあて,病院原価計算システムの運用に関する共通点や相違点を考察することにある。まず,ドイツの病院原価計算論の展開をふまえ,文化的要因と原価計算との関連性を明らかにする。今回の調査結果のなかから,特に,原価計算担当者の役割,ITシステムの状況,原価計算システムの構築等の項目を中心に取りあげ,両国における病院原価計算の実践上の特徴を導出する。