メルコ管理会計研究
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特別寄稿論文
管理会計と日本企業の現金の価値
――ディスカウント要因に係る定性的分析とVBMの重要性――
柳 良平
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2014 年 7 巻 1 号 p. 3-14

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抄録
財務会計上は監査済有価証券報告書の貸借対照表上の現金(及び有価証券)100の価値は100である。一方,管理会計上あるいはVBM(Value-Based Management)上,その価値は100であろうか。Valuationつまり市場による価値評価の観点からは,日本企業の現金(及び有価証券)の価値は例えば50程度であることを示唆する市場データや先行実証研究が存在する。本稿ではその差異に注目して市場評価の主な担い手である主要なグローバル機関投資家にサーベイを行い,その定性的評価について一定のインプリケーションを得た。そこからの知見に基づき,ディスカウント評価の背景のダイコトミー解決策として,VBMとしてのコーポレート・ガバナンス,Equity Spreadの採択,資本予算の高度化を考察する。
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© 2014 公益財団法人 メルコ学術振興財団
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