メルコ管理会計研究
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研究論文
フロントラインにおける管理会計利用がインタラクティブ・ネットワークに与える影響
――制度論的パースペクティブに基づくケース・スタディ――
庵谷 治男
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2014 年 7 巻 1 号 p. 53-70

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抄録
本研究の目的は,管理会計が制度化されるプロセスのなかで,フロントラインにおける管理会計利用がマネジャー間のインタラクティブ・ネットワークの形成に与える影響を明らかにすることである。具体的には,制度論的パースペクティブに基づくケース・スタディによって分析を行った。結論として,フロントラインのマネジャーによる管理会計利用がインタラクティブ・ネットワークの形成に寄与する要因は,第一に所与の責任範囲の利益目標だけでなくより上位の利益目標を共有させること,第二に上位の利益目標を達成するための規範的価値観を共有させること,第三に管理会計利用の精度を向上させると同時に情報の理解容易性を図ること,第四に会計ルーチンが「不確実性への対応」として機能し「意思決定の制度的基盤」を提供することであるといえる。
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© 2014 公益財団法人 メルコ学術振興財団
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