日本地球化学会年会要旨集
2015年度日本地球化学会第62回年会講演要旨集
セッションID: 2D09
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G13 原発事故で放出された放射性核種の環境動態
福島事故起源の放射性物質の陸域から海洋への移行
*恩田 裕一
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キーワード: 原発事故, Cs-137, 土壌侵食, 河川
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抄録
福島原発事故により地表に降下した放射性物質の森林からの放射性物質の移行,水の移動に伴う,放射性物質の土壌水・地下水・渓流水・河川水への移行調査と,様々な土地利用での土壌区画からの土砂および放射性物質の河川への移行モニタリングを行った。

 集中調査地域は,阿武隈川水系口太川上流域の川俣町山木屋地区である。畑地,採草地,牧草地,およびスギ林を含む5 カ所の傾斜地と試験水田を選定し,区画内からの土砂・放射性核種の流出量の観測を行った。また,阿武隈川流域を中心に30 カ所の測定点において,浮遊砂を通じた放射性物質の移行量についてモニタリングを行っている。3 年の結果,侵食土砂のCs-137 濃度はあまり減少していない一方,水田からのCs-137 浮遊砂濃度には減少が見られた。河川を通じた浮遊砂中のCs-137 は減少を続けており,現在のところ2 重指数関数モデルにフィッティングされるような変化が見られていることがわかった。
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© 2015 日本地球化学会
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