抄録
統計解析は,研究や調査等の成果を読み手(あるいは聞き手)に納得してもらうために必要な科学的証拠を提示するための一手法であり,科学的根拠に基づく介入(Evidence-based Practice)を目指す理学療法にとって欠くことのできないものである。パーソナルコンピュータとソフトウエアの高性能化によって,誰でも比較的容易に統計計算が可能になったが,最も確かな証拠を手に入れるためには,データの種類や分布等の特性を把握して,それらに適した正しい統計手法を選択・適用しなくてはならない。この総説は,理学療法で扱う変数の具体例を挙げながら,統計手法の適切な選択について概説した。