理学療法の歩み
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症例報告
音楽と音リズム刺激を用いた運動療法の試み
松田 千明吉原 真紀茶谷 麻衣子滝谷 知之千葉 奈津記
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2009 年 20 巻 1 号 p. 16-20

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抄録

パーキンソニズムの歩行障害は,内的リズム形成障害による影響が大きいと考えられており,それに対して外的刺激が有効なことは知られている。今回は重度のパーキンソニズム進行例に対して,音楽CDによる音リズム刺激を運動療法に導入することで動作性改善を期待した。結果,精神活動面での変化がみられ,覚醒時間拡大,発語量増加等がみられた。動作面においては起立・立位,歩行動作能力の向上がみられ,本症例自身も身体の動きやすさを自覚された。これらの変化の要因として,音楽による精神面への作用が,活動意欲を引き出すことに結びついたと考えられる。また音リズム刺激により十分な内的リズム形成の機会を得られたことが,運動開始やその遂行のためのリズム獲得につながり,動作性向上もみられたと予測される。

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© 2009 宮城県理学療法士会
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