理学療法の歩み
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片脚膝立ち位保持と股関節外転筋の筋力発揮特性との関係
川上 真吾鈴木 博人菊地 明宏田中 直樹本間 秀文藤澤 宏幸
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2014 年 25 巻 1 号 p. 42-46

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抄録
本研究の目的は,片脚膝立ち位保持時間と股関節外転筋の筋力発揮特性との関係を明らかにすることである。対象は,健常者20名とした。全対象で軸足は左であった。課題は片脚膝立ち位保持とし,視覚条件(開眼,閉眼),支持脚条件(左,右)における片脚膝立ち位保持時間(以下,保持時間)を測定した。股関節外転筋の筋力発揮特性(等尺性)については,ロードセルを用いて力を測定し,最大トルク・最大トルク変化率・到達時間を算出した。右下肢の開眼保持時間と到達時間に相関が認められた。以上より姿勢保持に関して基本的には股関節外転筋の筋力発揮特性が関与しているが,保持時間との関係において寄与は低く,むしろ異なる機能によって制御されている可能が考えられた。今回の実験上における観察では,長時間保持が可能な被験者の特徴として下腿の回旋が観察された。つまり,片脚膝立ち位保持では下腿の回旋によって制御している可能性がある。
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© 2014 宮城県理学療法士会
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