2022 年 33 巻 1 号 p. 22-27
本研究は,中学生の運動器の状態を把握することを目的に,身体柔軟性及び疼痛部位とその有訴率の傾向についてそれぞれ調査することとした。対象は,某中学校の運動部に所属する1・2年生の生徒計173人であった。柔軟性テストは,①しゃがみ込み動作,②立位体前屈,③両上肢挙上,④背部での両手合わせの4種目を行った。疼痛部位調査は,紙面による質問方式をとった。結果,しゃがみ込み動作不可の者が40人(23.1%),立位体前屈不可の者が70人(40.5%),両上肢挙上不可の者が6人(3.5%)であった。また,背部での両手合わせは,左肩関節外旋位と右肩関節内旋位の構えにおいて不可と判定された者が46人(26.6%),右肩関節外旋位と左肩関節内旋位の構えにおいては11人(6.4%)であった。疼痛部位の有訴率は,右膝関節では20.2%,左膝関節では19.7%であった。今回の調査結果を踏まえ,更なるデータを積み重ね,より充実した一次予防(疾病予防)の取り組みを構築していく必要がある。