1982 年 33 巻 3 号 p. 137-147
乱流成分のエネルギースペクトルを推定するために、電気フィルターによるバンドパス・シグマメータとハイパス・シグマメータのスペクトル解析法を検討した。
実験室における乱流を解析するために、バンドパス・シグマメータが試作され、その特性を求めた結果、かなり平均化されたスペクトルが得られることが判った。この方法はスペクトルのピークの判定には特に有効である。バンドパス・シグマメータを自然風の強風 (約20m/sec) の場合に適用して、その水平及び鉛直成分に対するスペクトルを求めた結果は、ディジタル処理による電子計算機の結果とよく一致し、この方法が自然風のデータヘの応用も可能であることを示した。
使用したバンドパス・シグマメータの伝達関数が2次減衰特性のため、エネルギーを含む割合が小さい周波数の領域では、スペクトルの推定値は大きな値を示すことが判った。
さらによい近似のスペクトルを得る方法として、4次またはそれ以上高次の減衰性をもつハイパス・シグマメータを推奨した。