Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
海水中の溶存アミノ酸の蛍光分析法
杉村 行勇鈴木 款
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1983 年 33 巻 4 号 p. 269-275

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抄録

 アミノ酸とo-フタルアルデヒドとの反応生成物をXAD-2樹脂上に捕集し、メチルアルコールによる溶離液をそのまま螢光光度法に使用することにより、感度よく、迅速に、溶存全アミノ酸および遊離アミノ酸の総量を分析する方法を開発した。遊離アミノ酸は、海水のpHを9に調節したのち、螢光試薬とそのまま反応させる。全アミノ酸は、6N塩酸で24時間加水分解したのち、試薬を添加する。反応生成物をそれぞれ、XAD-2樹脂上に捕集し、分析を行なう。螢光分析の条件は、メチルアルコール溶媒で、λex=360 nm、λfl=455 nmである。この方法の回収率は、遊離アミノ酸で93.3%、全アミノ酸で90.4%、分析の再現性の標準偏差は2%以下である。本法による分析結果は、ニンヒドリン法とよく一致するが、本法は、ニンヒドリン法よりも感度が高く、また、常温で反応を行う点で優れている。

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© 1983 気象庁気象研究所
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