抄録
関東地方を通過した寒冷前線の降水系を気象官署とアメダス観測所の地上観測データと筑波レーダーのデータを用いて調べた。この降水系は小低気圧と関東の西方の山岳地帯の影響をうけた。この小低気圧はもともと500mb以下の短波の谷に伴っていたが、地面加熱により強められた。低気圧が発達するに従い、暖かい南よりの風が組織化され、この流入により地上寒冷前線付近の活発な対流がひきおこされた。対流雲は地上寒冷前線付近で発生し、寒気側に動き、そして消滅した。低気圧が関東地方を通りすぎると、関東地方の南風はやみ、地上寒冷前線付近の対流性の雨もやんだ。
寒気は山岳地帯にせき止められ、う回した。関東地方における地上寒冷前線の進行は北側や南西側におけるそれより遅かった。