Papers in Meteorology and Geophysics
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原著論文
北太平洋西部における台風の出現度数の地理的分布とその長期的変動
青木 孝
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1983 年 34 巻 3 号 p. 143-150

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抄録
 北太平洋西部における緯度経度10°ごとの14の区域に出現した台風の地理的分布とその長期的変動を調べた。1951-1980年の30年間について各区域の年間出現度数を求めた。長期的変動をみるために5年の移動平均をしてから、主成分分析を行った。得られた固有ベクトルによって、南シナ海の区域と、沖縄の南東やカロリン諸島付近の区域とは、台風の出現度数が逆相関にあるなど、出現度数の地理的な変動を解析した。
 次に固有ベクトルに対応する振幅係数のクラスター分析により、出現度数の地理的分布に特徴のある年代を抽出したところ、1953-1959年、1963-1968年、1970-1973年の三つの年代が得られた。1953-59年は南シナ海や日本の南東の区域で出現度数が少なく、カロリン諸島付近で多い。1963-1968年は低緯度を除くと全般に出現度数が大きい。1970-1973年は出現度数が少ない区域が多いけれども、南シナ海ではこの解析期間では極大の年代となっている。
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© 1983 気象庁気象研究所
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