1986 年 37 巻 4 号 p. 235-253
地空相互作用の解明のために、接地気象観測装置を設計し、観測露場に設置した。
水・熱鉛直輸送量の評価は、空気力学的手法により行い、陸地面からの実蒸発量は、高感度の直接計量型ライシメーターで求めるものとした。
蒸発量と土壌水分との関係を、ライシメーターとライシメーター土壌容器内に設置した誘電式土壌水分計を用いて調べた。結果として、地表薄層の土壌水分はかなり明確な日変化を示し、蒸発量の増減に密接に対応して変化していることがわかった。
地表付近のプロファイルを用いてバルク法で求めた蒸発量は、実蒸発量とよく一致し、この方法が、地空間での水・熱交換過程のパラメタリゼーションに有効であることがわかった。